有)ラムトリックカンパニー
新谷勇介
エレキギターの製作・修理、ベース用プリアンプの設計などを担当
新発売されたArena ACEを使って実際にパッチ・ケーブルを作ってみました。

パッチ・ケーブルの作り方はとても簡単です。「切って、さし込んで、締める」本当にこれだけです。常日頃からシールド・ケーブルの製作をすることが多い私には「本当にこれだけで良いの?」と思うほど簡単です。

付属するプラグの直径は、どこを計測しても6.3ミリとなっていて加工精度の高さを実感しました。

SプラグだけでなくLプラグを使う場合でもケーブルはプラグに真っ直ぐにさし込むだけでよく、製作手順が両者で全く変わらないのが良いですね。完成したパッチ・ケーブルを使用する際にも、ケーブルに余計な力がかからないという点で従来商品に比べて大きな改善が見られます。

私が感じた製作時のポイントとしては、なるべく良く切れるニッパーを使うこと。カットがキレイにできていれば、網線と芯線が接触して回路がショートする心配がなくなります。

カット時に切り口がつぶれて楕円形になったときは、指で押して形を円く整えると良いですね

そして奥までしっかりさし込むこと。これで芯線の導通を確実なものにできます。

ここまでできれば、あとはネジを最後までしっかり締め込むだけで完成します。

慣れてきたらさらに、実際に使うときの配線の取り回しに合うように、ケーブルの巻き癖を上手く利用してプラグを取り付ける向きを工夫するとカンペキです。

出来上がったパッチ・ケーブルは、小型で軽量、エフェクト・ボード内を美しく結線するだけでなく、なおかつ全体の重量も軽く仕上げることができます。

耐久性をチェックするために、プラグを思い切り引っ張ったりねじったりしてみましたが問題は起こりませんでした。実際に使うのはエフェクターが固定されたボードの中ですから十分な耐久性を有していると考えてよいでしょう。
ギターテクニシャン N.Tさん
従来のソルダーレスプラグのようにイモネジの締めすぎ・締め足りない事がない、誰でも簡単確実に製作出来る皿ビス固定の構造に驚きました。

L字プラグも従来あったシールド幅全部を切り込む構造ではなく、ストレートプラグと同じ取り付け方法で接触不良を大幅に回避していることに大変好感がもてました。

小型であること、製作が簡単であること、ソルダーレスプラグとして高信頼であることなど、パッチケーブルに求められる要素が高い水準でバランスしている商品だと思いました。

なので今回自分もパッチを作らせて頂き、一般の方が陥りそうな落とし穴を検証してみました。

ケーブルが細い分、網線がホットに接触してしまう事は、少なからず発生するのではないかと思いました。

最悪のケースを想定して、ニッパーやラジペンで切った断面が楕円になってしまい、また切り口に触れてしまってそのまま組み込んだプラグを作成しました。

パッチのホットとグラウンドはショートしてました。(かなりワザとです)
自分たちはテスターで確認出来るので、製作が失敗であることはすぐ分かるのですが、テスターを使えない人でも身近なものでチェックする方法を考えてみました。

かなり小さい音量に設定したアンプに製作したパッチのみを差し込んで、ホット(プラグ先端)をタッチして音(ブーブー)が出るかで、パッチのホットの導通を確認することが出来ると思います。

音が出れば、ホットは無事接続されています。
音が出なければ、ホットが断線(プラグへの差込があまい)、又はグラウンドとショートしていることが考えられます。

グラウンド側は皿ネジで導通はほぼ間違いなく出来るので、トラブルの時は恐らくホット側だと思います。

素晴らしい商品をありがとうございます!